2024/05/19
今月のHello from Editorは、助けが必要な動物たちにわたしたちが出来ること、その実例と方法をご紹介しています。
保護犬フォスター体験記
「Fabulous ファビちゃんがやってきた!」
1)保護犬、ファビちゃんがやってきた!
2)受入れプロセス、わたしの心のプロセス
3)猫を被る犬、ファビちゃん。正体を現す。
4)サリバン先生も驚く、ファビアン先生の厳しい躾
5)“Adopt. Don’t shop” 『買わないで。引き取ってあげて』
6)バイバイ、ファビちゃん
動物たちの現状←今ココ
レスキュー団体について
Kirstine’s Zoo
Suppaw
わたしたちができること
フォスターファミリーになるという選択
どんな動物のフォスターになれる?
期間は?審査は?
香港を移動になった!どうする?
動物たちの現状
SPCA(愛護動物協会)によると、The Agriculture, Fisheries and Conservation Department (AFCD)では、年間5,000~7,000頭の野良犬を保護しているとのこと。2011年には、AFCDは5,800頭の野良犬と3,557頭の野良猫の確保をし、852頭の犬と205頭の猫が動物愛護団体を通じて里親に引き取られました。この数字は10年以上前のものなので、ペットブームとなった今は更に増加傾向にあることが予想されるでしょう。野良犬の大半は、里親が見つからなければ殺処分されます。
SPCAの2016年から2017年の統計によると、職員から保護された犬猫、小動物は合計3,872。そのうち飼い主から捨てられたのが679匹。公共の場所で確保されたのが706匹など。一方、一時預かってくれる里親に引き取られたのが873匹とのことです。
AFCDが保護した動物は、SPCAやそのほかのチャリティー団体により引き取り手を見つける活動が行われます。また、独自に香港の新界エリアなどの奥地から野良犬などを確保して保護しているシェルターもあり、チャリティー団体と連携して保護活動をしているところもあるそうです。
レスキュー団体について
香港で活動するプライベートの団体は動物たちの殺処分を避けるために日々活動しています。
○SPCA -Society for the Prevention of Cruelty to Animals (愛護動物協会)
湾仔、青衣、九龍、西貢にあり、場所によって色々な役割があるので、全ての場所に引き取り所があるわけではありません。犬の去勢、ワクチンなども受けることができます。犬、猫、兎、ハムスターから爬虫類まで多くの動物がいます。
https://www.spca.org.hk
○Hong Kong Dog Rescue
ケネディタウンと大埔に保護センターがあります。犬専門で、ハイキングボランティア等も随時募集しています。
https://hongkongdogrescue.com
○Lifelong Animal Protection Charity
西營盤に猫、荃灣に犬の保護センターがあります。
https://www.lap.org.hk
○Paws United Charity
レパルスベイに保護センターがあり、随時ボランティア募集中。
https://pawsunited.org.hk
○Catherins’ Puppies
西貢ベースの団体で、子犬を保護しているケースが多いとのこと。
https://www.facebook.com/catherinespuppies
○Kirsten’s Zoo
犬、猫、兎、ハムスターなど多くの保護動物の引取り家庭や一時預かり先を募集しています。
https://kirstenszoo.com
○Suppaw
犬猫専門の団体で、新界の奥地の野良犬猫を独自に確保し保護するローカルのシェルター団体とタッグを組んで活動しています。
https://suppaw.com
たくさんある団体の中で2つご紹介しましょう。
▶︎Kirsten’s Zoo
Kirsten’s Zooは、40年近く香港に住んでいるイギリス人Kirstenさんが2008年から運営しているレスキュー団体です。犬舎がないため、彼女の元にやってくる動物たちの引き取り手を探す団体です。犬の場合は、虐待されたなどでトラウマを持っていたり、野良猫の場合は、人に懐くことが難しかったりと人間の生活に馴染むのに時間と忍耐が必要な場合があります。Kirstenさんは個々の動物の性格や行動をよく把握していて、引き取り手が全てを納得した上で引き取ってもらえるように、しっかりと説明をするそう。預かった全ての動物が信頼できる飼い主や、里親に引き取ってもらえるように活動をしています。彼女が保護するのは、犬猫以外に、ウサギ、ハムスター、さまざまな鳥、カメ、ハリネズミ、モルモットなど。毎月2回、中環エスカレーター横のレストラン「Staunton’s gastropub」脇で第2と第4日曜日の14時から17時ごろまで犬たちとお見合いできる「adoption day」イベントを開催しています。
Kirstenさん(上段サングラスの女性)とボランティアスタッフと、ワンちゃんたち。レストラン「Staunton’s gastropub」の横道が会場です。
ゆっくりのんびりと興味ある人が声をかけてくれるのを待っています。
飼い主を探しているワンちゃんの首には「アダプトして」のタグが。名前と誕生日、性別、犬種が書かれてあります。
また、Kirsten’s Zooでは人間に慣れない猫の保養所も香港内に2ヶ所持っていて、日々ボランティアの人がここを訪れて食べ物やお掃除のお世話をしています。
ここで生活する猫は、家庭に貰われる準備ができてない猫ちゃんたち。行動が凶暴だったり、触らせてくれない、家具の裏から出てこないなど。人間に心を開くようになるまで、ゆっくり時間をかけて慣らしていきます。飼えないけどチームのみんなとお世話したいと思われる方は、こちらのリンクよりお問い合わせください。
▶︎Suppaw
SupportとPawを掛け合わせた名前、SUPPAW という団体は、ケネルを持っていないので、地元のシェルターやフォスターファミリーと連携を組んで活動しています。犬猫の養子縁組の他に、ペット用品の販売やイベント、飼い主同士のサポートシステムや啓蒙活動、ファンドレイズなどを包括的に行い、誰もが犠牲にならないことを目指しています。イベントなどは、地元のペット関連店などと連携して開催。今回は、ペットフードを販売しているお店を借りてアダプションイベントをしていました。不定期で開催しているのでインスタなどで確認してください。
ファンドレイズのためにTシャツやエコバック、バッジや、犬のおもちゃなど、グッズを販売しています。
桃桃(トト)ちゃん。まだ赤ちゃんです。
わたしたちができること
よくある質問をご紹介します。
Q、アダプションまたは里親になるのに相応しくない人って?
動物に愛情を与えられることはもちろんですが、動物をお世話するとなると色々と出費が嵩みます。また、実際に家に10時間以上誰もいない場合は飼い主になるのには向かないとのこと。
Q、駐在で2〜3年しか香港にいないけど、里親はできますか?
はい、できます! 2〜3ヶ月預かれる状況であればいつでも申請できます。
Q、犬はちょっと負担が大きいけど、ハムスターとかモルモットはできそう。そういう里親もありますか?
はい、あります! 小動物を扱っている団体と扱っていない団体があるので聞いてみてください。
Q、動物の里親をしていたら愛情が湧いて離れられなくなりました。そのまま飼うことはできますか?
里親をしている場合、常に団体が引き取り手を探している状態です。決まってしまえば手放さないといけなくなります。それを避けるために、そのまま飼うと決めたらすぐに団体に連絡をして人の手に渡るのを回避してください。
Q、どのような審査がありますか?
まずは以下のような書類に記入して提出してください。参考書類はKirstine’s Zooのものです。
こちらのリンクには、犬猫小動物の飼い主、里親としての申請書類があります。
審査には、書類提出後にインタビューがあったり、団体によっては自宅まで来て飼える状況を確認したりする場合があります。里親としてであれば、書類だけのところが多いようです。
Q、飼うと決めて引き取る時に費用は発生しますか?
一概には言えませんが費用が発生するところが多いようです。これは、これまでお世話してきた費用や、去勢手術、ワクチン代などが含まれる場合があり、シェルターなどにも還元されることがあるようです。大体HK$1000-3000のようですが、団体によって金額は様々ですので、直接お問い合わください。
Q、飼い主にも里親にもなれませんが、何かボランティアがしたいです。何ができますか?
団体によっては必要なことが違います。例えば、アダプションデイのスタッフとして働く、またはSNS周りのアップデート、ファンドレイズのイベントを企画するなど。まずは団体に問い合わせて聞いてみましょう。自分ができることややってみたいことなどをアピールしてみるのも良いです。ちなみにKirstine’s Zooでボランティアをしたい場合は、最初にこちらのフォームに記入して申請する必要があります。
Q、犬を引き取った後に、香港を移動することになった! 一緒に連れていくにはどうしたら?
動物を他国へ移動させる場合、ワクチンやマイクロチップなどの義務付けが行われている国が多くあり、動物の輸出入に必要な書類(輸出検疫証明書、健康証明書、輸入証明書等)を数ヶ月前から準備する必要がある場合もあります。詳細は、渡航先の大使館、検疫所などに条件を問い合わせてみるのが良いです(例えば、狂犬病の予防注射後に抗体が確認されるまでに180日かかるため、少なくとも180日後に再検査を行う必要があります)。
農林水産省動物検疫所
https://www.maff.go.jp/aqs/
農林水産省動物検疫所による香港から日本へ入国させる場合の解説
https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/import-other.html
ANAによる動物輸送(国際)ペットなど動物を単独で航空輸送する場合の要件について
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/international/pets/
https://www.anacargo.jp/ja/int/regulations/animal.html
いかがですか? 皆さん、香港の犬猫動物事情、参考になりましたか?
動物たちのいる生活は、大変なことも多いですが、愛と喜びと癒し、そして命の尊さを教えてくれます。家庭の事情は人それぞれ、気になる団体があったらご自身でコンタクトをして深掘りしてみましょう。ボランティアに興味がある方は、最初は小さく無理のないところから関わってみると良いかもしれません。楽しく、有意義な香港ライフになりますように!
それでは次回もお楽しみに!
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください