2022/12/25

2019年の年の瀬に、Covid-19の人への感染が中国で確認されて以降、瞬く間に香港にもその波が押し寄せ、多くの外国人が自国に避難したことは、皆さんの記憶にも新しいことと思います。そして、あれから3年の月日の中、新たに香港に赴任された方や香港に残ることを選択した我々は、施設隔離や強制検査という不便な生活を強いられてきました。

 

しかし!! 遂に香港入境時の制限も大幅に緩和され、今冬、日本に一時帰国をする選択をされた方も多いことと思います。我が家も例外ではなく、末子に至っては初の祖国の大地を踏みしめるべく、一時帰国を敢行した次第です。

 

3年ぶりの日本。何が怖いって、寒さと乾燥です。我が家も日本の地に降り立ってすぐ、家庭内で鼻水と咳の無限ループが開始しました。恐らく、子どもが香港から持ってきたウィルスが家族内で一周し、落ち着いた頃に、また違うウィルスを別の子が広げ、やっと終わりが見えてきた今日この頃。親戚や友達と会ったり、日本でしか行けない場所に行ってみたり、楽しい予定が目白押しのタイミング、気合いで何とか治ってくれ! と親としては思うものです。

 

・・・ん!?気合いで風邪って治るの? そもそも、昔からよく言われる「病は気から」という言葉って、どういうこと? 今回は、その真相に心理学的・脳科学的観点から迫ってみたいと思います。

 

私たちは身体的なストレスだけでなく、精神的なストレスが過度に高い状態になると、免疫力が低下し、風邪やその他の病気にかかりやすくなります。つまり、心の状態と体の状態は相互に強く影響し合っているのです。また、冬になると、テレビのコマーシャルでも、風邪薬の広告が増え、学校の先生や大人同士の会話の中でも、「風邪に気を付けましょうね」という声掛けを自然と耳にする機会が増えます。子どもは大人の会話に非常に敏感ですので、「冬は風邪になりやすいんだ」と脳内に刷り込まれます。同時に、子どもが風邪をひいたらどうしようという、親の不安や心配が子どもに伝わり、子どもが風邪や病気を悪化させたり、ともすれば、自ら症状を作りだしてしまうという事も起こり得ます。ある種、暗示のようなものですが、これは、風邪や病気への罹患に関して、心理学的・脳科学的な側面が大きく影響していることに起因します。

 

一方で、ラットを使ったある実験によると、同じ疾患を抱えたラットをグループ分けした際に、ストレス状況を自分で回避できないよう環境設定されたラットグループAよりも、自分で状況をコントロールできたり、悪い状況を回避できる、という「希望」を与えられたラットグループBの方が生存率が高いという結果が出ています。「ストレス度の高い環境や状況であっても、希望を見出すことができる」と言うことがストレスを緩和し、免疫力を高めたと言えるのです。つまり、風邪や病気に罹患する過程のみならず、そこから回復する過程においても、人間のストレスの程度や、そのストレス状況をどのように捉えるかと言う認知的側面が大きく関与し、それらが免疫系に作用しているということが分かっています。

 

では、風邪が蔓延しやすいこの時期、どのような対処が、風邪や病気の予防、治療にとって一番良いのでしょうか。それは、「風邪や病気を過度に意識しない」ということです。わたしたちは、本来、健康になるエネルギーや病気を治すエネルギー、思い通りの自分になり、自己実現を果たそうとするエネルギーを内在しています。病気を意識し過ぎるあまり、「病気にかかったらどうしよう」と考え過ぎたり、「ずっと治らなかったら」と過度に不安や心配を助長させると、そこで起こってくる不安や恐怖心にこれらのエネルギーを使ってしまいます。本来持っているエネルギーを、予防や治療のエネルギーに使う事ができれば、風邪や病気の予防、早い治癒につながります。

 

子どもが転んで泣いている時、足から出た血に意識が集中している限り、子どもは泣き止みません。しかし、「痛かったねぇ。お菓子買って帰ろうか」と言った途端に泣き止み、スーパーでお菓子を選んでいる時は、さっき泣いたカラスが・・・なんてこと思い当たりませんか。意識の力というのは、それ程に大きいものなのです。

 

また、前述したとおり、「希望」は免疫力を高めます。風邪や病気の後の楽しいことを思い浮かべたり、安心した心の状態にしてあげることも非常に重要です。偽の薬(プラセボ)を医者から与えられると、医者が与えるのだから効果があるはずと思いこみ、頭痛や腹痛が治ってしまうということは様々な研究から言われています。親から与えられる「大丈夫」の一言は、子どもにとって非常に大きな安心感となり、身体が本来持っている免疫力を高めてくれる事でしょう。

 

風邪や病気の予防はもちろん大事ですが、我が家のような無限ループに陥っても大丈夫。ストレスを緩和させるような会話や、回復後の楽しい予定を組むなどして、寒い冬を一緒に乗り切りましょう!

 


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河合 まり絵

臨床心理士。日本ではスクールカウンセラーとして、不登校児童や別室登校児童、発達に偏りのある児童への心理的サポートや、精神科クリニックで、パニック障害、PTSD、うつ病、摂食障害などの個別カウンセリングを実施。リワーク外来では、精神疾患などで休職中の患者に対し集団療法を、また、復職後の企業内フォローアップ・カウンセリングを実施。刑務所内では、グループ矯正教育をするなど、教育、医療、産業、司法の分野で臨床経験を積む。香港に移住してからは、3児の子育てに追われるも、縁あって精神科クリニックに復職。

 

OT & P Healthcare/ Mind WorX Clinic
MindWorXはOT and P Healthcareが運営する精神科専門のクリニックです。
中環駅(セントラル)から徒歩2分の場所に位置しており、簡単な日本語を話せる医師と、日本人の臨床心理士が在籍しておりますので、薬の処方と共にカウンセリングを並行して受けることが可能です。投薬はしたくないけれど、カウンセリングを受けたいという方もご相談下さい。

以下のようなことでお困りの方は、是非、一度、ご相談下さい。
・夜、なかなか眠りにつけない、または、朝、早くに目が覚めてしまいすっきりしない
・不安や心配な気持ちがいつも頭を離れない
・過度に食べ過ぎてしまう、または、食欲がない
・子育てに疲れている
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・夫や妻、パートナーや他者との関係に悩んでいる など

初回予約の際に日本語でのサポートが必要な方は、marie.kawai@otandp.comにemail を頂ければ、日本語での対応が可能です。

Mind WorX Clinic
OT&P – Internationally Accredited Medical Clinics in Hong Kong (otandp.com)
6/F Century Square, 1 D’Aguilar Street, Central, HK
中環徳己立街1號世紀廣場6樓
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