2022/09/30

「ママ怒らないで。」

今年の初めの頃、息子に言われてハッとしたことがありました。

こちらは注意のつもりで発言したことが、息子にとっては「怒られた」と思っていたこと。

振り返ると今までもそんな状況なんてたくさんあって、

我慢していた息子の口から思わず出た一言かもしれないとその時感じました。

 

そんな折、偶然立ち寄った表参道のクレヨンハウス。

絵本でも買って帰ろうと思っていたところで偶然目に留まった、まさにわたしが子どもに言われたまんまのタイトルの本。

『ママ、怒らないで。 不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病』 斎藤裕・暁子  風鳴舎

 

今のわたしに必要なのかも、と購入しすぐ読み始めたのですが

その時は正直しんどくて最初の部分までしか読めませんでした。

自分の奥深くの内面と向き合うことがその時は怖かったのだと思います。

 

その本を半年たった今のタイミングで一気に読めたことで、わたしの中で気づいたことと癒された部分があったので

まだまだ自分のことを知っていく途中ではありますが、鉄は熱いうちに。

 

一度読むのを諦めたこの本をまた読もうと思ったのは、最近の息子の困った行動がきっかけでした。

できないこと、うまくいかないことがあると「きゃー!!!」と奇声を発してしまうこと。

隣の家にまで響く声で不快を表現することは迷惑だし、「ママその声嫌いだからやめてね」と何度も言っているにもかかわらず、わざとわたしを困らせるべく発しているなと感じることもあったため、最近はすっかりイライラしていました。

2歳近くになる妹も面白がって真似をするようになってしまったことも悩みの種でした。

しかし幼稚園ではそのようなこともなく、みんなと仲良く遊んでいます、とのこと。

なんでだろう。

 

本を読み進めていくうちにストンと腑に落ちることがたくさん書かれていて、途中何度も涙してしまいました。

かさぶたを剥がすような痛み。

苦しい読書時間でしたが、知らなかったこと。そしてよく、わかったこと。

 

わたしはアダルトチルドレンだったということでした。

言葉は知ってはいましたが、わたしが? でした。

 

(本書より一部抜粋)ー------------

アダルトチルドレン(AC)とは子どもの健康な心の生育や健全な人格形成に悪影響を与える親(機能不全家族)のもとで育ち、

そこで受けた心の傷が癒やされないまま大人になり、成長してもなお精神的影響を受け続ける人々のこと。

そのような家庭環境で育った子どもは、成人後も自己肯定感が持てず、

生きづらさや対人関係、子育て、依存症、嗜癖などの問題を抱えやすくなる。

ただし実際は生きづらさを自覚することなく、自身がACとは結びつかない人々の方がほとんどとも言える。

大人の価値観で育ってきているために子ども側の気持ちが分かってあげられない。

日本人の多くはACとも言われている。

個人よりも目上や社会、他人に合わせることが求められる日本の風潮はACを育てる土台になっている。

なので「当たり前で何の疑いも持たない」ようなところの中に、実はACを育ててしまう要素があることに気づいて対処しなければ、ACは受け継がれていくばかりである。

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わたしの場合の話です。

3人兄弟の長女で、父は会社員、母もわたしが小学校2年生の時から復職していて毎日とても忙しく、

祖父母は同居していたのですが自営業兼農家だったのでほぼ鍵っ子。

そんな中で母は自分の時間を捻出してわたしたちを習い事に送迎してくれたり

土日は父と共にあちこち遊びに連れて行ったりしてくれていたので、フル回転だったと思います。

仕事もして家事もして、週末は子どもの遊びに付き合って。

いつも忙しそうでゆっくりしている姿を見たことがないくらいに

母はわたしたちに時間も愛情もたくさん与えてくれていました。

 

弱音は聞いたこと、なかったなぁ…泣いている姿は見たことあるけど。

なので「わたしもがんばらなくちゃ、しっかりしなくちゃ」とずっと思っていました。

「あぁ、お母さんみたいになりたい!」とも感じていました。

 

そのためには勉強もがんばって、運動もできて、手間のかからない良い子になりたい。

迷惑はいけないこと。

みんな我慢しているんだから、わがままも言わない。

両親には頼まれていなかったけれどそんなことを考えていたと思います。

当たり前のように自分に完璧を求めていました。

そうすればみんな幸せ、わたしも幸せ、そう思っていました。

 

 

そんな感情さえもよくある「長男長女気質」というか鍵っ子あるある、というか。

みんなそんなもんだよね、だから(こう見えて)根っこは真面目なのよ、くらいにしか捉えていませんでした。

今の今まで。

でもこの本を読んでいくうちに、忘れていた感情が芽生えてきて

つらつらと涙が止まらなくなっていました。

 

「わたし、もっとお母さんに甘えたかったんだ。

2人でもっと話したかったし、何もしなくても一緒にいる時間がほしかった。

それがずっと言えなかったんだ。

言えなかったよね、そんなことをわたしが言ってもみんなを困らせるだけだと思ってたもんね。」

 

過去にすっかり置いてきた悲しみ、不安、不満が溢れてきて苦しくなりました。

でもその後に、大人になった今の自分が

「いっぱい我慢して辛かったよね、誰にも言えずにひとりで抱えててよくがんばってたんだよ」と

子どもの頃の、ピンと張り詰めた毎日を過ごしていたわたしに優しい言葉をかけていました。

もちろん両方わたしなのですが、なんだろう。

 

ちょっとホッとしました。

ポンポン、と誰かが頭を触ってくれたような。

わたしがわたしを慰めてくれた瞬間でした。

後編へつづきます)

 


筆者プロフィール:  砂賀美希
日本、シンガポール、香港でモデル活動の後、2018年に第一子を出産。オーガニックについて学び関連のゲストスピーカーやWSを開催。香港で妊活中に東洋医学と出会い体質改善されたことがきっかけとなり、現在中医薬膳師の勉強中。2020年10月、第二子となる女児を出産。

Instagram  kimiganasu

 

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