2024/03/15
港式炸醬麵
(ゴン シック ジャ ジョン ミン)
【香港スタイルのジャージャン麺】
戦争や紛争は絶対に避けるべきですが、戦争の副産物として、各国の料理が世界に広がることは確かです。
例えば、炸醬麵は現在の中国の東北部、旧満州に移住した日本人が地元の炸醬麵を食べ、それを戦後に盛岡で再現したものが「じゃじゃ麺」として知られるようになりました。通常、中華麺ではなくうどんが使われ、これが盛岡じゃじゃ麺の特徴となりました。
韓国のソウルフード、「じゃじゃんみょん」(炸醬麵)は、1882年の壬午事件の際に、清国軍の侵入とともに清国商人が韓国に入ったことから始まったと言われています。韓国のじゃじゃんみょんは「春醤」と呼ばれる真っ黒な味噌を使うため、黒くなります。たくさんの玉ねぎと砂糖が使われ、かなり甘くなります。
では、香港の炸醬麵は、どのような経路で香港に入ってきたのでしょうか? 実は満州や韓国と同様に、中国東北部から入ってきました。1950年頃、文化大革命の時期に、香港が比較的政治的に安定していたため、多くの山東人が料理を持ち込みました。香港の炸醬麵の特徴は、トマトケチャップと香港の赤いチリソースを加えるので、赤みがかかったソースであることです。なぜ香港の炸醬麵にトマトケチャップが使われるのか、植民地の影響なのか、廣東人が縁起の良い朱色を好むからなのか、発端は不明のままです。
香港の炸醬麵は甘酸っぱい味で、辛味もあり、付け合わせの大根の甘酢漬けと一緒に食べるのが1950年に創業した香港島の老舗「永華麵家」で生まれた定番の食べ方です。香港の高温多湿な気候では、さっぱりとした味付けが好まれることがあります。また、麺にも注目してください。香港の炸醬麵には、廣東の雲吞麺の極細麺が使われます。これは竹昇麺と呼ばれ、日本の「青竹打ち」と同じ方法で作られます。生地を、竹製の太い麺棒にかけて自分の体重を乗せながら打ち、かなりの量のかん水を足してるので、独特のコシのある麺に仕上がります。ゴムのようにシャキシャキした、面白い食感の麵です。
「永華麵家」は、今はもう閉店してしまいましたが、母と何度も訪れました。人気店だったため、相席を覚悟して入店していました。座った瞬間に注文しないと、店員が機嫌を損ねることがあり、サービスはより悪化する可能性はあります。これも面白い香港のB級グルメの文化です。
元祖の山東炸醬麵は、豚ひき肉、ネギ、ニンニク、味噌で作られたソースに千切りのキュウリや紅芯大根など、生野菜がトッピングされます。しかし香港では茹でた野菜がトッピングされています。廣東人の麵は生野菜を乗せて食べる習慣はあまりないと思います。同じ料理でも、地域によって独自のアレンジがされ、その土地に合った味に変化するところが料理のおもしろいところですよね。
以下のレシピは、香港で食べた味を再現したものですが、好みに合わせて干し椎茸や干しエビ、ザーサイなどを加えて、より食感を豊かにするのも良いでしょう。
Tips: 麵を茹でた後のお湯で青菜をゆでると、色の発色が良くなります。麺のかん水はお湯に溶けて、アルカリ性によって発色が良くなる野菜と反応するからです。 |
材料(2人分)
炸醬:
豚肉………………………….200g
(肩ロース:太目千切り)
→下味
卵白………………………….20g
紹興酒……………………….1大さじ
醤油………………………….5g
胡椒………………..……..…少々
片栗粉……………..……..…2大さじ
サラダ油…………..……..…1大さじ
ネギ白い部分…………….…2大さじ
(みじん切り)
にんにく……………….…….1小さじ
(みじん切り)
甜麵醬…………………….…1大さじ
香港悦和醬園辣醬………….1大さじ
ソース:
きび砂糖……………………..2大さじ
酢……………………………..2大さじ
塩……………………………..½小さじ
ナンプラー…………………..1小さじ
醬油…………………………..1小さじ
リーペリンソース…………..1小さじ
トマトケチャップ…………..2大さじ
ごま油………………………..1大さじ
水……………………………..100cc
水溶き片栗粉 適量
<作り方>
1.豚肉に下味をレシピの順番通りに混ぜ合わせ、15分ほど寝かせておく。
2.フライパンに分量外2大さじサラダ油をひき、ネギとニンニクをいれる。香りが出たら、豚肉を炒める。肉の色が変わったら甜麵醬と香港悦和醬園辣醬を加えて炒める。
3.香りが出たらソースを加えて、煮込む。沸騰したら、一旦火から下ろす。水溶き片栗粉を少々入れて、再び火を付けて煮る。
4.とろみが付いたら、茹で上がった麵に盛る。好みの茹でた青菜を添えて完成。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
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