2025/05/11
Hong Kong LEIライターのリンダと杏が、ぴーちくぱーちくお喋り感覚で最新の香港映画をご紹介するコラム《リンダと杏の香港映画ぴーちくぱーちく》。
まだまだ勉強中だけれど、香港映画に対する愛と情熱は超強火! と言うリンダと、気になる映画に関しては、とことん知り尽くしたくなる杏。そんな二人が、香港在住者の視点で、映画の背景となる香港の文化的事情やその歴史、そして知ると楽しいトリビア等を楽しく語り合い、読者の皆様にご紹介します。これを読めば香港映画が、そして香港が、もっともっと楽しめるようになること請け合いです!
今回は香港でこの春行われた映画祭、映画賞授賞式の現場をナマで見てきた二人がぴーちくぱーちく語ります。華やかな銀幕の世界の舞台裏、どんな感じなんでしょう?(以下、敬称略)
行ってきました、映画祭 & 授賞式
リンダ:春は香港で映画界のビッグイベントが山盛りだったね~。まず、「第18回アジア・フィルム・アワード」(以下「アジア賞」)で、「第49回香港国際映画祭」(以下「国際映画祭」)。そして「第43回香港電影金像奨」授賞式(以下「アカデミー賞」)。映画祭や授賞式は普通、審査を受けて許可を得たメディアしか会場内に入れないし、レッドカーペットには近寄れもしないけれど、Hong Kong LEIは今年、3つのイベントで直接、映画人たちを取材する貴重な機会を得たね。どんな印象を持った?
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左)第18回アジア・フィルム・アワード。
中)第49回香港国際映画祭オープニングの様子。
右)第43回香港電影金像奨レッドカーペット。壇上は『私たちの話し方』の面々。
杏:まずは、どの映画祭でも、裏側を支えるスタッフの人たちの懸命な姿が印象に残ったな。広東語がメインの現場で、わたし達のような広東語以外のメディアにもできる限り色々サポートしてくれた方たちの香港人らしい優しさにも感謝。
リンダ:今回、授賞式やレッドカーペットで、映画界の最前線で活躍する人達を間近で見たり、取材したりしたけど、重鎮と言われる俳優さん、監督たちが皆、メディアの取材陣に自然体で接してなかった? 映画人とメディア人が、同じ業界で働く「同僚」といったような、対等……とまではいかなくても、すごく良好な関係を築いてる感じ!
杏:そうだね、トニー・レオン(梁 朝偉)級の大御所も含め、スターたちが皆、スタッフにも報道陣にも敬意と親しみを持って接しているという印象を強く受けたな。
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左)トニー・レオンと奥様のカリーナ・ラウ。
右)サモ・ハン・キンポーと奥様のジョイス・コウ。
目前に広がるセレブの世界、レッドカーペット
リンダ:それにしても、レッドカーペットは「アジア賞」「アカデミー賞」ともに豪華絢爛だったね。ゴージャスなドレス、ジュエリーにうっとりしたわ~。中でも圧巻だったのは、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』(原題『九龍城寨之圍城』、以下『トワイライト』)組。迫力あるお兄さんたちが揃った大所帯、しかも全員フォーマルなスタイルでビシっと決めての登場だったね。
@asianfilmawardsacademy
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』制作陣・出演俳優が一堂に!
杏:カメラが向いていない時の仲間内で談笑する姿に、本当に仲が良いんだろうな、と思った。映画の中で、極悪者だったフィリップ・ン(伍允龍)は実際はとても明るくフレンドリー、渋めだったジャーマン・チョン(張文傑)は実際はシャイな感じで、そのギャップにも萌えた(笑)。
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左)ラウ・ワイミンの隣で取材陣に「ルダハート」を送るフィリップ・ン。
右)シャイな一面を垣間見せたジャーマン・チョン。
リンダ:わたしは『ラスト・ダンス』(原題:『破・地獄』)のチュー・パクホン(朱栢康)の評価がアップしたな~。「アカデミー賞」のレッドカーペットにチンピラ(ごめんなさい)のような怖いいでたちで登場したけど、写真撮影の間だけじゃなくて、ずっ~とお茶目に周囲を笑わせてた彼。なのに自身の受賞が決まったらぐしゃっと泣いちゃったり。感情表現が豊かで、正直な人だな~って。
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左)ひょうきんなだけでなく涙もろい一面も持つチュー・パクホン。
右)ジュエリーにも負けぬゴージャスさのテレンス・ラウ。
杏:『ラスト・ダンス』のレイチェル・レオン(梁雍婷)は、レッドカーペットに緑のドレスが眩しかった!彼女はいい演技をするな、とわたしは密かに彼女の今後を期待してるんだ。『トワイライト』のテレンス・ラウ(劉俊謙)は、欧米セレブに愛されている、ブルガリのセルペンティ・コレクションをまとってゴージャスだったね!
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左)ドレッシーかつスタイリッシュな一面を見せたマーフ。
右)レイチェル・レオンは「レッド」カーペットに映える緑のドレスで。
リンダ:話は戻って、ギャップと言えば『寄了一整個春天』で「アカデミー賞」の新人賞にノミネートされてたアイドルグループCOLLARのマーフ(邱彥筒)! 普段はストリートファッションでカジュアルなのに、レッドカーペットにはブシュロンの6.34カラットと言われるのサファイア付きネックレスを付けて、スタイリッシュだったわ~。
反対に、今まで持っていた印象とレッドカーペットでのギャップがまったくなかったのが、韓国の俳優チャン・ドンゴン。「アジア賞」の記者会見で観たんだけど、あまりにもダンディーでカッコ良くて、シャッター押す手が止まらなくなっちゃった(笑)。それでも捨て写真が一枚もナシ。ポーズとポーズの中途半端なショット、それすらも全部素敵でうっとり~(目がハート)。ケニー・ウォン(黃德斌)もイメージと本物に隔たりナシ。カッコ良すぎた~!
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左)何百枚写真を撮っても全てカッコよく写るチャン・ドンゴン。
右)近頃ますますイケメン度が増すケニー・ウォン。
リンダ:同じくベテラン俳優「国際映画祭」の「注目の映画人」を務めたルイス・クー(古天樂)も渋かった! そういえば現場で、若い女の子の追っかけにも遭遇したね。彼女たち、燈牌を持って出待ちして、日本からわざわざ取り寄せた、裏表紙に『トワイライト』のメンバーが掲載された日本の雑誌を抱えて……。推しの愛し方はMirrorと同じなんだな~って(笑)。「同胞よ!」って、抱きしめたくなっちゃった!
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左)安定のカッコ良さと、渋さを見せつけたルイス・クー。
右)ルイス・クーが掲載された日本の雑誌を手に出待ちをするファン。
日本映画・俳優への注目を目の当たりに!
杏:イベントを通して日本映画に対する香港人の愛も感じたな。「アジア賞」関連で上映があった、役所広司登壇の『PERFECT DAYS』では、ファンが役所さんにサインをねだりに群がり、ディーン・フジオカがレッドカーペットに登場した時は「ディーン!ディーン!」とファンからの熱いコールが上がったし。「国際映画祭」で安藤サクラ登壇の『百円の恋』、加えて彼女の他の3作品のチケットも即完売だったし。
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左)大喝采を受けながらレッドカーペットに現れたディーン・フジオカ。
右)安藤サクラも会場外で香港のファン達からサイン攻めに!
リンダ:本当に。香港でもアイドルの頂点のように崇められている木村拓哉、その娘さんのKokiも記者会見も満員御礼だった! そうそう、会見でKokiは質問にすべて英語で応えてた。アクション監督の谷垣健司は広東語で受賞スピーチを、ディーン・フジオカは英語、普通話 、広東語の3言語で「アジア賞」のオープニングスピーチをそれぞれ披露、安藤サクラも流暢な英語を交えてインタビューに答えていたね。日本人は外国語苦手っていうのも、今は昔。どんどん国際化しているんだな~って嬉しくなった。
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左)Hong Kong LEIからのリクエストに応え、アクションポーズをとってくれた谷垣健治。
右)チャーミングな笑顔と流暢な英語で報道陣を魅了したKoki。
杏:今回、映画の中では見ることのできない映画人達の素顔を垣間見られて、ますます香港映画が好きになった!
リンダ:全く同感。映画好きな人たちがイキイキとバリバリ仕事してる世界って感じだった。
杏・リンダ:いやー香港映画業界っていいですね! ではまた来月!
Special Thanks: Asian Film Awards Academy, Hong Kong International Film Festival Society, Hong Kong Film Awards Association.
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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