2022/02/15

洋蔥煎豬扒
(ヨンチョン ジン ジューパー)

【香港家庭料理の定番 香港トンテキと玉葱添え】

「今年のミス香港は『豬扒(ジューパー)』が多かったよ」と、友人と約10年ほど前チャットで話した。「ミス香港」は香港で行われるミス・コンテストのこと。
当時は『豬扒』の言葉ですごく衝撃を受けた。『豬扒』とは広東語でトンテキのこと。そういう言い回しを聞くのが初めてだったので、ミスコンとトンテキの共通点を探したが到底思いつかず困惑した。
香港での広東語は口語(はなし言葉:言わば「方言」)である。香港では新語や流行語、ネットスラングが毎年山のように出てくるので海外に住んでる人はもちろん、現地の香港人でもその目まぐるしい言語の変化について行くのは難儀である。ましてや香港には独特な「粗口(チョーハウ)」(下品な言葉の語集)があり、現地人であってもそれら全てを把握するのは到底不可能だ。理解できない場合は誰かに「通訳」して貰う必要がある。
『豬扒』は当時の流行り言葉で「デブス(デブでブス)の女」のことだった。要するに友人はその年のミス香港は「デブスの女」が多かったという事を言いたかったのだ。こんなインパクトのある悪口を普通言えるだろうか。『豬扒』の様な言葉はなかなか言えないでしょう。
料理に戻りますが、『豬扒』(ポークチョップ)は香港で非常に人気がある食材。育ち盛りの子ども時代、食卓に『豬扒』が登場したら、ご飯が止まらない。弾力ある肉が口の中に放り込まれ、香ばしいジャスミン米と口の中で混ざり合う。考えるだけでよだれが止まらない。飯泥棒だ。
定番の香港家庭料理だが、家庭によって味付けは変わってくる、まさに日本のカレーの様だ。ウチのばあちゃんはシンプルな醤油味付けだったがケチャップやウスターソースで味付けする家庭もある。

Tip: ポークチョップをまな板の上におき、その上にサランラップを覆って麺棒で叩き、肉の繊維を壊す事により肉は柔らかくなります。

 

材料 (2人前)

肩ローストンテキ……… 2枚(220g)

玉葱…………………………………… 200g

塩……………………………………………. 2g

水………………………………………….. 30g

 

トンテキの下味

【A】

醤油……………………………1小さじ

塩麴……………………………1小さじ

砂糖……………………………1小さじ

生姜汁………………………..1小さじ

日本酒………………………..1大さじ

片栗粉………………………..1小さじ

小麦粉………………………..1小さじ

胡椒……………………………..少々

サラダ油……………………..1小さじ

 

下処理

● 玉ねぎの皮を剥いて半分に切ったら、根本をVの字切り落とす。そして、繊維に沿って薄く切る。
● トンテキは筋のところを数か所包丁を入れ、サランラップを覆って麺棒で叩く。
● 下味【A】をよくかき混ぜ合わせる。

 

作り方

1 トンテキを【A】に加えて15分から30分放置する。
2 フライパンを熱し、中火にしたら分量外のサラダ油大さじ1を加え、玉ねぎをゆっくり炒めて塩を振って、透明になったら取り出す。
3  同じフライパンで(洗わないで)中火から強火にし、分量外のサラダ油小さじ2を加え、1のトンテキを入れ、片面焼き色が付いたら、ひっくり返して、裏側も焼いて、2の玉ねぎを加えたら水30gを 足し蓋をする。水がなくなったら完成。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

Instagram
@hongkongrecipe

note「レシピ保護区」
https://note.com/recipesanctuary

人在東京 Prime Kitchen Labo

 

 

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