2019/04/16

 

「日本人に馴染みのある食材で香港の家庭料理を作ろう!」
有機日本雪菜肉絲燘米
(有機高菜と豚肉の煮込ビーフン)

この最近の10~15年間〝オーガニック〞という言葉が香港で流行ってきた。次から次に大陸からの汚染された野菜や病気にかかっている豚の肉など大陸の食材は信用がなくなってきたからこそ、食材に対する安全意識は大幅に変化してきた。安心安全の食材を値段が高くても求めたくなってきた時代かもしれない。

雪菜*1みたいのような漬物は健康意識のブームの下で人気がなくなり、塩分が高いから、大陸野菜の安全さが不透明とか、人工色素や防腐剤が入ってるから、健康に良くないとか、様々な理由で漬物の人気度が減って来ている。

しかし、漬物は独特の風味があり、料理に対しで旨味を増し、昔の保存食の知恵がこのまま消えて行くのは・・.

安心安全な漬物があれば・・・ いつか透明度が高い安心安全香港製雪菜があれば・.・

雪菜のそっくりさんは日本にもある。それは九州の名物、高菜漬。同じく辛子菜の漬物も似たような漬け方。シンプルな塩漬けは基本で、高菜は地方により乳酸発酵があったり、ウコン入りの高菜漬けもあり、様々です。今回は有機無添加の高菜漬けを代用してみた。

おいしく作るコツ ⇒ ビーフンを茹で過ぎずに蒸らす。煮過ぎないで手早く済ませる。

 

材料:

*東莞米粉            3枚
有機高菜漬        150g
砂糖             1小さじ
干し椎茸             5g
豚肉               150g
(厚切り生姜焼き用)
にんにく             5g
鰹出汁            400cc
九条葱                1本
赤ピーマン         ¼ 本

<豚肉の下味調味料>
日本酒            1小さじ
砂糖                   少々
水                 2小さじ
醤油               2小さじ
塩                       少々
胡椒              少々生 粉
胡麻油            ½ 小さじ
サラダ油           1小さじ

 

下ごしらえ:

1. 高菜を搾って水分を切る。約6mmの太さで荒みじん切ってから砂糖と合える。
2. 被せる程度水で干し椎茸を冷蔵庫で柔らかくまで戻し、千切りし、戻し汁を取っておく。
3. 豚肉を3mmの太さで千切り、豚肉下味順に調味料を入れる。にんにくを細い千切りにする。
4. 九条ネギと赤ピーマンを洗って、3cmの長さと5mmの太さでする切り。

ビーフンの戻し方:

1. 鍋に2リットルのお湯を沸騰せ、乾燥ビーフンを約2分を茹でほぐし、解したら水切りをしパットに取り出し、濡らした綺麗な布巾をビーフンに被せ、余熱で8-10分で蒸らす。

煮込み方:

1. 鍋に大さじ一杯のサラダ油を敷き、にんにくを入れて軽くて炒めながら鍋を熱し、香りが出たら干し椎茸と豚肉を加え、肉の色が変わったら取り出す。
2. 鍋を熱し大さじ一杯のサラダ油を敷き高菜を炒める、鰹出汁と干し椎茸の戻し汁を加え、沸騰させてから3分ほど煮る。ビーフンを入れスープが約8割程に少なくなったら、1の肉と干し椎茸を入れ全体の水分がなくなったら最後に赤ピーマンと葱を入れざっと和えたら、味見し、塩味が足りなければ塩で味を調節する。

香港側の小話
ピーフン(米粉)は広東省東莞という場所の名物です、名前は*2〝東莞米粉〞。ちなみに雲姐の本籍地は東莞なのですが、残念ながら一回も行ったことがない。東莞米粉の他に、台湾の新竹縣產の米粉、ベトナムとタイの米粉も人気がある。東莞米粉の特徴はやや太くて、柔らかく、煮込む時に汁が吸いやすい。他の乾ビーフンはやや硬め、煮込みビーフンならやはり東莞米粉が向いてる。何故このレシピではお湯で軽く茹でほぐしてから余熱で蒸らすのでしょうか?理由は東莞米粉は柔らかく切られやすいから。長く茹でると麺の形が崩れ、ビーフン本来の形が崩れやすい。余熱で蒸らすと形を崩さずに済む上に弾力があるビーフンになる。

広東料理法の小話
*3「燜」とは、ほぼ密封状態で鍋の熱で食材を水分が少ない環境で調理する。食材の水分を維持しながら火を通す調理法の一つ。短時間の煮込み料理。原文は「悶」で《儒林外史》文献で記載されていた。

日本側の小話
高菜の名所、九州では主な3種類の高菜が栽培されている。ちりめん高菜、阿蘇高菜、三池高菜。ちりめん高菜は辛みが強く、浅漬け風が一般的。阿蘇地方で栽培しいてるのは阿蘇高菜と言い茎が細長くシャキシャキした食感がある漬物。長期的に乳酸発酵したものや浅漬けにも向く。三池高菜は葉が肉厚で面積が広く乳酸発酵させた高菜漬物が多いが、浅漬けしても美味しい。葉の部分が多いから炒めものにも向く。こうして、日本の食材を生かして香港家庭料理を作るのは雲姐流です!

 

*1雪菜〝シュッチョイ”  と発音する= 香港の漬菜。からし菜を塩漬けしてから熟成させてる漬物。日本の高菜にとても似てる。別名、雪蕻〝シュッロゥイホン〞。
*2東莞米粉〝ドォングゥンマァイファン〞広東省東莞という場所の名物、米で作られた麺食。
*3「燜」〝マァゥン〞、中華料理の調理法の一つ。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

人在東京 Prime Kitchen Labo

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