2024/12/01

先日、携帯を盗まれたかも?  というヒヤリハット(死語?)な出来事がありました。その時一番気になったのが携帯の中身が、どこまでiCloudに上がってたっけ? ということ。もしもドロボウさんが携帯情報を削除しちゃったら、iCloudeにアップロード共有されていない部分は永遠にサヨウナラ……。つい数日前のMirror結成6周年のファンミーティングで、メンバー全員と至近距離でご挨拶という奇跡の体験とお別れかも……と絶望したのも一瞬、その動画は既に友に共有済み。動画は履歴に残っている! 共有万歳!

デビュー6周年のファンミーティングは満員御礼。@edan_ism

今回の件で、そもそも香港のファンカルチャーが録画撮影におおらかなことに改めて感謝。妙齢に差し掛かり、記憶力も低下の一途をたどる今日この頃。携帯はわたしのスペアの脳みそ、外付けハードドライブ。必須の存在です。

動画録画後はSNSで共有。自分のものを見てもらったり、動画編集職人的なファンたちが作り上げる、バラエティーに富んだ動画をSNS経由で見るのは、大きな楽しみの一つ。投稿に気の利いたコメントを付け合い、大喜利的楽しみをするまでがお約束です。人気動画の再生、リポスト回数を見れば、アイドル所属事務所にとっても、無料の宣伝効果を生んでいること疑問の余地なし。まさにWin-Winのシステムです。

シェア文化を最大限に生かしたファン活を繰り広げる香港に対して、日本は対極的。イベントやコンサートでの撮影は禁止、SNSにアップするなんてもってのほか、共有できる情報は公式情報のみ……。そんな話を耳にするので、Mirrorの中で妖艶な魅力を放つ美しき貴公子、Jeremy(李駿傑)が日本でライブに出演するという発表を聞いたとき、一抹の不安がよぎったのです。Jeremyが出演とならば、香港のファンが日本に応援に来ることは必至。日本の非シェア文化、「~はイケマセン」「~はご遠慮ください」だらけの環境で、香港人はコンサートを楽しんでくれるだろうか、と。

しかもこのライブはMirrorのメンバー初の日本でのライブ、しかも「東京国際ミュージックライブ」。世界中から音楽業界のバイヤーが集まる重要な場。これはユニコーン(Jeremyファンの愛称)なら見逃せない歴史的モーメントです。

渋谷の街にJeremyのLEDサイネージが登場! FCの努力の賜物です。Jeremyのぬいぐるみ(公仔)も東京遠征を果たしました。@unicorn.bridge.of.jeremy, ©️J.C

その後、香港からの参加者は約200人となることが分かりました。収容人数600人の会場で、観客の3分の1が香港人となる計算。こんなに多くのユニコーン(Jeremyファンの愛称)がわざわざ日本までやってくるのに、彼女たちの楽しみである録画ができないのは気の毒……。その上、日本に来ることができないユニコーンたちは彼の勇姿を見ることができないなんて。SNSで「録画は本当に禁止です」と書かれたユニコーンへの注意喚起の投稿を見る度に、日本人として「ごめんね」と心の中で謝っていました。

が。なんとライブのまさに当日、Jeremy のステージに限り、撮影可能と発表されたのです!  ライブハウス側が香港のファンの鑑賞方法に理解を示してくれたのです!  香港・日本Jeremy  FCが撮影を認めてもらうよう、会場と交渉を続けていたとのこと。ユニコーンの情熱、そして日本側のフレキシブルな対応、まさしくグッジョブ!  これでJeremy の晴れ舞台のためだけに香港から飛行機代と、ホテル代をはたき、残り少ない(推測)有給を使って日本にきたユニコーンも報われるというものです。

香港ではおなじみの携帯片手のライブ鑑賞が日本で!@unicorn.bridge.of.jeremy, ©️J.C

11月7日、ライブは大成功のうちに終了。幕が下りた直後から某SNSはこのライブの映像で大盛り上がり!  Mirrorに入隊してからもなかなか芽が出ず、努力に努力を続けてきたJeremy。そんな彼を陰でずっと支えてきたユニコーン。録画が可能になったお陰で、日本に行かれなかったファンもJeremyが一生懸命日本語でした挨拶も、初めて日本語で歌った曲(宇多田ヒカルの「First Love」)も、聴くことができたのです。これら動画のコメント欄には共有への感謝とJeremyへの賛辞のコメントが並び、彼への熱い気持ち、ユニコーンたちの連帯感が充満……思わずもらい泣きでした。

(写真左)ファンの情熱に感動したと語ったJeremy。記念撮影に登場。@unicorn.bridge.of.jeremy
(写真右)ファンミは日本のライブ直後。お疲れさまでした。@angie.hather

動画の撮影・共有。そして以前お伝えした、ファンが無償で配布する応援グッズを通じてのファン同士の交流。推しを中心としたハッピーなファン活コミュニティーが形成されることで、アーティストの魅力に加え、ファン自体が魅力になっている…‥‥これぞMirror応援の醍醐味。時代が共有に移行しているのも、この楽しさを味わう人が増えてきたからなのでしょう。著作権、肖像権、色んな問題はあるでしょうが、少なくとも香港では上手く機能している共有ベースの楽しみ方、日本でも導入できればいいのにな。

共有の楽しみを教えてくれて、ありがとうMirror!  ありがとう鏡粉!


紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
移住とともに人生初めてアイドルに目覚め、Mirror 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。

Instagram 紅磡リンダ【星版】hunghom_linda_qedan


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