2021/07/14

【引っ越しします!】

今思い返せば、引っ越しは自分自身を知る行程だったなと思います。何が好きで、何が嫌いか。どんなところに価値を感じるか、自分にとってのクオリティー・オブ・ライフとは?そしてどう生きたいか?そんなことを考えさせられた数ヶ月でした。今回のこのコラムで香港の不動産事情をご紹介しつつ、わたしの自分発見とアパートとの出会いを数回にわたって綴っていきたいと思います。お付き合いいただければ幸いです!

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8年間住んだアパートを引っ越すことになりました。
ここは子どもが赤ちゃんの頃から住んでいたお家でした。8年前にこのアパートを決めた一番の理由は、窓の外に広がる美しい草原の景色。他にも3ベットルームであったこと、バスタブがあったこと、プールや子どものプレイルーム、住人のための公園があったこと、もちろん金額的なことなども決め手でした。

窓からの眺め

この8年間で何度か引っ越し話がもち上がりました。最初は数年前に大家さんが30%の値上げをしたとき。我が家の大家さんは、個人で購入して賃貸しているのではなく、家族経営の会社が賃貸をしていたので、ことあるごとに「現在の市場ではこのぐらいが相場なんだから。会社が損をする」と言ってきました。わたしたちがどれだけ長く住んでいようと、どれだけ問題ないテナントであろうと全く関係なく、いつもその言葉を繰り返していました。あるとき、風呂の配管に漏れがあり、その裏の廊下から部屋に繋がる壁に水漏れができて、壁が剥がれた時も、「ここを修理するお金がかかるから家賃をあげる」と言ってきたことがありました。一時が万事そんな感じで、いつも夫と大家さんは、特に毎年契約更新の時にはお互いの出方を伺いつつ熾烈な頭脳戦を繰り広げていました。

 

それでもわたしと子どもはこの景色に恋していたので、夫の「引っ越し」しようという意見に耳を貸さずに今まで来たのですが、年々あれよあれよと値上がりする家賃と、反比例する家のコンディションを考えたときに、夫から「今年は絶対に更新しない」と言われました。今度ばかりは本気モードの夫。現実的に見ても同意せざるおえない状況で、ここらで潮時かと思い引っ越しに納得したのでした。入居時から家賃は70%上がっていました。

 

【不動産エージェントと住みたい家をネイルダウン!】

夫はわたしが結構うるさいのを知っていたので、前回同様、まずはわたし1人で探すことになりました。我が家は3人家族。現在住んでいる場所から全く違う場所に引っ越すのは、夫の仕事柄厳しいので、近場で探すことにしました。まずは、近くの不動産エージェントの王道、中原地産のオフィスを覗いてみると、すぐに女性スタッフ2人が話しかけてきました。

「アパートをお探しですか?いつまでに必要なの?」と。

不動産エージェントは、必ず「いつ入居するの?」「いつ出て行かないといけないの?」の、この2つの質問はしてきます。もし「まだ決まってないのだけど」と言おうもんなら「決まったらまた来てね」とあしらわれます。また、3〜4ヶ月先、とあやふやな答えの時も、「もう少し近くなったら来てね」と言われます。彼らはコミッション制なので、わたしたちの向学のために時間を費やすことを好みません。

 

借家の場合、基本的にアパートが決まれば、大家さんには2ヶ月分の家賃をディポジットとして納め、1ヶ月分の家賃を支払います。エージェントには半月分を手数料として支払います。なのでエージェントは、真剣に探している人にだけ時間を割いてくれます。一番真剣に対応してくれるのは、入居まで1ヶ月半から1ヶ月を切ったぐらいでしょうか。

2人はわたしの希望を聞いて、まずは色々なアパートをリストアップしてくれました。多少自分の希望にかなっていないアパートでも見ると比較対象ができるからと言うことでした。

 

【わたしの希望と、アパートを探すにあたって心に決めていたこと】

わたしの希望はー

ー3ベッドルーム(敷地面積900sqぐらい。住居面積700sqぐらいは欲しい)
ー明るい家 (目の前にビルが立ちはだかっていない)
ー低層階(高いところが苦手なため、20階ぐらいまで)
ーバスタブがある(日本人なのでバスタブ必須)
ー家賃は今と同じぐらい

 

今回、アパートを探すにあたって、ひとつ心に決めていたことがありました。それは、「自分にウソをつかない」です。自分の感覚も含めて大事にしようと思いました。わたしは家で仕事をすることも多く、自宅で過ごす時間が多いし、出不精の子どもも家にいるのが大好き。これから先どのくらい住むかわからないしで、妥協するのはやめようと思ったのです。(絶対良いところを探せるという根拠なき自信があったような気がしていますー笑)それから皆様におすすめです。引っ越しの際は自分が譲れないリストだけでも書いておくと良いです。

 

【内覧へGO!】

まずはアパートの隣のタワーに連れて行かれました。間取りも広さもほぼ同じで、今と真逆の東南向きのアパートでした。特に可もなく不可も無く、これまでの息を呑む景色はそこにはありませんでした。最悪ここでもいいのかなっという感じでしたが、明らかに「ここに住みたい!」と思うときめき感はありませんでした。家賃は少し安くなっていました。

 

次に見せてもらったのは、隣接する別のアパートで、広さも景色もオッケーだったのですが、アパートのあるビルに足を踏み入れた途端になんとなく感じるジメジメ、どんよりした重い雰囲気が好きになれませんでした。これは自分の感覚なのでなんとも説明し難いのですが、このどよ〜んとした感じは、ちょっと違うなと思ったのでした。

 

その次に見せてもらったビルは、新築ビルで、新築らしい爽やかな雰囲気と、まだ完全には落ち着いてないようなワサワサした新品の匂いが漂っていました。エレベーターには、まだ塗装の途中であるかのようなビニールなどが貼ったままに。部屋をみると、新しいからか、3ベットルームがこれまでの20%ぐらい狭くなって、住居スペースが500sq強程度。ただでさえ狭かったベットルームがさらに狭くなり、はたしてここに合うベットを探すことができるのか疑問に思うほどの狭さでした。(もちろんもっと予算があれば、住居面積が1000sqぐらいの広々としたアパートを選択することができるのは、言うまでもありませんが、これまでと同じ条件ですと、こんなに狭くなってしまいました)ただ新築らしく、とても機能的に作られていて、特にキッチンの収納や電化製品などに関しては唸るものがありました。窓からは海の景色が広がっていたのですが、わたしは海派ではなく、山派(緑の景色)なので、こちらもあまり魅力的に感じませんでした。

香港で物件をみるときに注意するのは、同じアパートでも敷地面積と住居面積は違います。敷地面積は、アパートの共同スペースであるエレベーターや踊り場などの面積も含めた広さで、住居面積は実際住む広さです。これは通常20%から30%ぐらい敷地面積よりも狭いと言われています。特に新築になればなるほど、このパーセンテージは大きくなるように思います。物件を見るときは、その面積がどこを指してるのかしっかり見る必要があります!

 

さらに違うアパートは、窓から海も山も臨める絶景で、なんと50階。わたしにとっては足がすくむ高さで、エレベーターであがっている間2回ほどくるツーンとした耳鳴りが合図となって「無理」と言う言葉が自分の頭を駆け巡りました。確かにアパートは明るく、景色も素晴らしく、全て自分が希望した通り。でもベランダには近づけそうにないし、「火事が起こったらどうするの?」といらぬ心配で心臓がドキドキしてきました。足が宙に浮いたような感覚で、慣れるかもしれないけど、ふわふわしたままここで生活するのは心がついていけそうになく、「やっぱり無理」と言って下におりました。

さすがエージェントのお2人。これまでにたくさんのお客さんを相手にしているだけあって、事の進め方を良く知っています。そこで改めてわたしに条件を聞いてきました。

 

数件見て自分で改めて確信したのは

ー新築より、広いお家に住みたい
ー景色は心の栄養のために重要、海より緑
ーなるべく地面に近い方が良い

そして今回初めてわかったのが
ーやる気が出る家に住みたい

でした。なんのこっちゃって感じですがー。これも感覚的なことなので、なんとも説明し難いのですが、元気が出るようなお家とでも言いましょうか。。。仕事でも、趣味でも、家のことでもなんでもいいのですが、何かモチベーションが出てくるようなお家に住みたいと思いました。

 

ちなみに、今までのアパートは9階で、目線の先にはずっと見ていても飽きない美しい草原が広がり、夕方になるとうっとりするほどの夕焼け色の協演が味わえました。わたしと子どもは、マジックアワーを眺めては毎度感動し楽しみ、夕食をとりながら、分刻みで変わる色彩を語りあったりもしました。

「この色はオレンジと、緑と、紫が入ってるね」と。あれだけ毎日眺めていたのに、全く同じ夕景ってないのです。時には景色に触発されて絵を描いてみたりしたこともありました。なので、子どもの情操教育には、お金をかけずにずいぶん贅沢な時間を過ごせたと思っています。おかげでかどうか、とても色に敏感な子どもに育ったように思います。

 

と言うことで、さらに絞り込んで、エージェントに伝えて、希望に沿ったアパートを探してもらうことにしました。

 

(つづく)

 


筆者
Hong  Kong  LEI 発行人
原朋子

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