2022/02/20

これまでのお話〜

いまいち乗り気ではなかったアパートに連れて行かれたわたしなのに、庭を見てひと目で心が揺らいだのでした。


いや〜な予感が的中しました。

あれから他のアパートも色々見たのですが、見れば見るほど、あの庭付きのアパートが気になってしまって、心はここに引っ越しする方へ傾いていました。しかし、庭を垣根越しに覗き見して3日後、不動産屋さんから電話がありました。それは、庭付きのお家の家主さんが退去する日にちを半月伸ばしたいと言うことで、大家さんはそれを受け入れたとのことでした。つまり、私たちの今のアパートの退去は6月15日なので、そこから2週間はホームレスとなってしまうことが判明したのです。

その後不動産屋さんはすかさず、「実は大家さんは貸し出す前に、リノベートしたいと言っていて、改装には1ヶ月かかるそうなんです」わたしは耳を疑いました。

「1ヶ月ですか?もっと早く終われないんですか?私たちは6月15日には今のアパートを出ないといけないので、そうすると45日間もありますよ!」

不動産屋さんは、
「大家さんはすごくこだわりのある人なので、1ヶ月かかると言ったら1ヶ月かかります。絶対に譲れません。」と、キッパリ。

主にリノベートには庭にストーンフロアーを敷くのと、キッチンのストーブの全交換、そして網戸の取り替えをしたいとのことでした。とにかく内覧に関しては、家主が引き払うまではできないとのこと。

とはいえ、村屋はどのお家もワンフロアーが700sqと決まっているため、ベットルームの数によって大体どんな間取りかは予想がつくし、不動産屋さんから写真も見せてもらい大体の検討がついていました。

アパートの状況としては以下の通りです。

1)わたしの絶対リストのトップにあったバスタブがなかったこと。
(ないならバスタブを自分で入れればいいという発想に転換しました)

2)3ベットルーム+2バスルームであること。(これはよかったです)

3)お湯は巡回湯沸かしなので湯が無制限に出て、キッチンにもお湯が出ること。(村屋はタンク式のところもあり、そうすると十分なお湯が出ないところがあります)

4)コンロはガスであること。(村屋でガスと言うことはタンクを定期的に変えないといけないと言うことです。この話はまた後で)

5)全窓に網戸がついていること。(地上階なので、ないと蚊の猛襲にあい生活できないと思うので、良かったです)

などなどがわかったので、内覧しなくてもおおよその検討はつきました。

 

そうしてると、だんだん、庭のある生活ってどうなんだろうとか、ガーデニングができたりするのかな?庭でヨガやピラテスなんてできるのかな。日向ぼっことか、お昼寝とか、バーベキューとか?漠然と香港で思っても見なかった庭のある暮らしの妄想がどんどん膨らんで、「あれ?わたし結構嬉しいかも?」と自覚するようになりました。そうこう自分の頭の中でぐるぐるしていると、予算制限あり、車なし、夫の仕事や学校への通勤通学による場所の制限あり。そんな条件でも、わたしたちにとったら良すぎる物件。今ここで会ったが百年目「ご縁があればきっとそこに住めるようになるだろうから、やるだけやってみよう」と言う気になったのです。

と、言うことで、まずは、夫の疑念(前回のコラム)を晴らすべく、まずは不動産屋さんのオフィスで大家さんと顔合わせをさせてもらえるようにセッティングをお願いしました。不動産屋さんは、小さな村の中に小さな事務所を持っていて、そこに大家さんが足を運んでくれました。大家さんは、一言でワイルドな風貌の方で、白髪混じりのサーファーのような髪に、背が高く日に焼けた肌、ものすごくゴツゴツした大きな手の男性でした。不動産屋さんは、大家さんは建築業界に長いこといたので、自分で全てリノベートするとのこと。これまでもお家に不具合があった場合は、ちょこちょこ手を加えているので、築25年というビルの割に状態が良いのだそうです。

新しもの好きな香港人の夫は、築25年と聞いて、一瞬たじろんでいましたが、とりあえず不動産屋さんと大家さんが本物であったことで安心したようでした。不動産屋さんも、大家さんも、冷めた夫とは裏腹に、わたしの「待ってもここに住みたいです!!」と心に決めた熱い思いを汲み取ってくれて、誰にも声をかけないでわたしたちを優先してくれると約束してくれました。ただし契約は内覧した日にすること、とのことで決着しました。

ディポジットも払わないで、わたしたち以外に誰にも見せないと言うのは信用できるのかどうか。香港の人って、いきなり「あ、ごめんちょっと状況が変わったちゃった」って軽く言いそうで、わたしの不安な気持ちを不動産屋さんにぶつけると、「彼はやると言ったらやる人。約束は必ず守る人だから大丈夫」と太鼓判を押してくれました。実はそれでも不安だったのですが、もう信用するしかありません。ご縁があればここに住めるし、なければ人手に渡るだろうと、腹をくくりました。

と、言うことで、まずは、仕方ないので、涙を飲んで、今住んでいる大家さんに1ヶ月半延長させてもらえないかと、頭を下げてお願いしてみることにしました。(そもそも大家さんとのトラブルが元で、このアパートを出ようと思ったので、これは苦渋の選択といったところでした。気になる方はコラム初回をご覧ください)すると「まずは契約して!途中で解除するなら構わない」と言われました。解除する=つまり罰金が発生すると言うこと。夫は「絶対に契約しない!」と鼻を膨らませて断言しました。

 

「なら、仮住まいを見つけよう!」
なんだかものすごーく、単純明快で、前向きな自分がいました。

 

わたしたちは予定通り6月15日には出て行かなければならず、その後45日間の仮住まいを探さないといけません。夫は、そこまでする必要ある?っと全くもって理解できない様子。そこまでして住みたいなら、仮住まいは君が探して、っと、またもや冷たい返事。

それなら、経費節約のためにも夫には、実家で寝泊まりしてもらい、わたしと子どもだけで住める小さな仮住まいを第一候補に探してみることにしました。

仮住まいの選択肢としてはー

1)ウィークリーホテル
2)ウィークリーアパート
3)air b&b
4)シェアアパート
など

本来なら日本に帰省して待ちたいところですが、コロナ禍、それも叶わず。夏休みを丸々仮住まいとするので、子どものためにもあまり気が滅入りそうなところは住めないなと、頭を悩ませることになったのです。

つづく〜


第1回 https://hongkonglei.com/hkmoving01/
第2回 https://hongkonglei.com/hkmoving02/
第3回 https://hongkonglei.com/hkmoving03/
第4回 https://hongkonglei.com/hkmoving04/
第5回 https://hongkonglei.com/hkmoving05/
第6回 https://hongkonglei.com/hkmoving06/
第7回 https://hongkonglei.com/hkmoving07
第8回 https://hongkonglei.com/hkmoving08/
第9回 https://hongkonglei.com/hkmoving09/
第10回 https://hongkonglei.com/hkmoving10/
第11回 https://hongkonglei.com/hkmoving11/


筆者
Hong  Kong  LEI発行人

 

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