2022/01/20

これまでのお話、屋上付きのアパートに心奪われたものの、しつこく不動産屋さんに勧められて断りきれず、気が進まぬ中、庭付きの村屋を見に行くことに。


そのお家は本当に今見た屋上つき家のすぐ近くにありました。「ここですよ。まだ人が住んでいるので外からしか見ることはできませんが」と不動産屋さん。茶色い垣根越しにそっと覗いてみると、大きな芝生の庭が目に飛び込んできました。ちょうど住人夫婦がバーベキューをしながら昼食を食べていて、庭の真ん中では簡易のビニールプールで2人の小さな子どもたちが水遊びをしていました。

なんなんだこの光景は!?ここは香港でしたよね〜??

「ね、いいでしょう?予算範囲内でこんな好条件の物件はそうそうないですよ」と自慢顔の不動産屋さんが満面の笑みを浮かべてわたしの反応を伺っていました。ううう〜、一気にわたしの気持ちが揺らいでいるのに大満足のご様子。

「でも地上階は安全面で不安なのでちょっとー」というと。

「ここの大家さん一族は、この付近の村屋の地主さんでもあるので、この辺はよく見回ってますし、山奥でもないので、心配しなくても大丈夫です!絶対問題ありません!」と強気。

「この家は今まだ市場に出てないけど、出たらすぐに取られちゃいますよ。でももしあなたがすぐに決めなかったら、市場に出る前にも、大家さん関係の人が決めちゃうかもしれません」うー。とても聞き慣れたシチュエーションです(以前このパターンでアパートを逃した経緯があります。前の記事をお読みください)。「確かに、こういうパターンは大いにありえるな」経験者は語るです。

「今コロナの影響で、家主は見ず知らずの他人を家に入れたくないそうなので、この人たちが退去するまでは中は見れません。でもこの人たちが入居した時に撮った写真があるので、その写真をご覧いただけますよ!」と笑顔で不動産屋さん。「それは拝見させてもらうとしても、実際には退去後すぐに内覧させてもらってから決めれば良いですか?」とわたし。「もちろんそれでも全く問題ないですよ。でも見る前に決める人もいるかもしれないので、ギャランティーはできません。もしここに絶対入りたいなら、すぐにディポジットだけでも入れるべきです!」

外から庭をチラ見しただけの物件にディポジットを入れるほど、そんなにおめでたくないですよと思いながら「考えます」とだけ言って別れました。でも、この不動産屋さんは、昔からこの界隈の大家さんたちと家族ぐるみの付き合いをしているらしく、屋上付きのお家の大家さんとも、今度飲茶でもどう?なんて話をしていたりして、こういうちょっとした情報はどこよりも先に手に入るのだろうな。不動産屋さんには、それぞれの強い場所とコネクションがあるのかもしれない。この辺りに住みたいなら、この不動産屋さんに巡り合ったのは正解かもしれないと思ったのでした。

物件探しは、本当にご縁によるところが大きく、時期が合ってないと入りたくても入れません。そういう意味では家主の退去は1ヶ月先の話(6月中旬)で、時期的にもなんとかなるかもしれないスケジュールでした。

わたしはどちらかというとすぐ人のことを信用するタイプなので、今日の出来事を、胸を少し弾ませつつ夫に報告しました。が、あまりにも違いすぎる反応が返ってきてびっくり仰天。

夫の言い分はー

1)その不動産屋さんは、本当に不動産屋なのか?
事務所はあるのか?名刺はもらったのか?
2)よくわかってない外国人をグルで騙そうとしているのじゃないか?
3)コロナとはいえ、なぜ家に入れない?家がレンタルされる保証はあるのか?

と、まあ、そう言われれば、どの質問にも確証のある返答をすることができず、わたしは悪い人たちに見えなかった、というしかありませんでした。夫は詰めの甘いわたしを上から目線で、だから日本人はダメなんだとでも言うように「デポジット?とんでもない!!何考えてるの?見るまでは絶対ダメ!」と取り合ってもくれませんでした。

とにかく彼の一番の懸念点は、不動産関係の総合インターネットで声をかけてきた不動産屋さんが、実態のある不動産屋さんなのかどうか?まず、そこをクリアーにしないと拉致が開かないと言うことですー。確かに夫の言うことにも一理あると思いつつ。わたしには親身で良い人にしか見えない不動産屋さんに対して、まさかこんな心配事が出てくるとは!気分がモヤモヤしたのでした。

ああ〜、また一波乱、二波乱ありそうな、いや〜な予感。でも、ここで出会ってしまったのが運の尽き。だんだん庭のある生活に心が傾きつつあるわたしなのでした。

つづく〜


第1回 https://hongkonglei.com/hkmoving01/
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第11回 https://hongkonglei.com/hkmoving11/


筆者
Hong Kong LEI 発行人

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