2021/12/20

これまでのお話。
村屋に住むからには屋上付きのアパートを借りなければ、村屋に住む意味がない!とばかりに屋上つきアパートに的を絞って探し始めました。でも高層ビルのアパートに甘やかされてきた私は、簡素な作りの村屋に少しおじけずいたりも。


 

あるとき、どこからわたしの連絡先が繋がったのか、ある不動産屋さんから連絡が入りました。

「村屋探してますよね?すごくいい物件があるので見てみませんか?」

もちろん行かない選択はありません。即答して、車で連れて行ってもらうことにしました。駅から車で5分ぐらいの場所にある村屋で、屋上つきの物件です。車で運転しながら不動産屋さんは、

「実は屋上じゃないんだけど、すごく広いお庭のお家があって、今朝そこの大家さんから住人が今月末に出て行くことになったと聞いたの。興味ない?わたしの大好きなお家なんですよ」

『屋上』に心が奪われていたわたしは、地上階は安全面でも心配なので興味ないです、とピシャリとお断りしました。

到着したお家は、大家さんがガーデニングが好きな方のようで、共同スペースに真っ直ぐに並べられた大きな鉢植えに綺麗なお花が咲いていました。大家さんは地上階に住んでいて、何かあった時には、すぐに対応してもらえるそうです。私たちが借りたいワンフロアーの間取りは3ベットルーム+2バスルーム。バルコニー付きで、玄関ドアの外から階段を上がって屋上に行くタイプでした。建物の年期は入っているものの、お庭のお手入れのごとくこ綺麗なアパートでした。屋上には、半分日除け屋根がついていて、照り返しの心配も、直射日光の心配もなくなかなか良いと思いました。

「大家さんはとても綺麗好きな方なんですよ。それから、ここは駐車代は別です」と不動産屋さん。

村屋に住むと車がないと何かと不便ですので、ほとんどの住人は車を持っています。その際、同じ敷地内に駐車スペースを貸してもらう訳なのですが、このスペースは月決めでレンタル代がかかる場合と、家賃に入ってる場合と場所によって違います。

このお家は月々HK$1200かかるとのことでした。あまりにも不便であれば車を用意する必要があるので、アパートのレンタル代にプラスして駐車代もかかることになります。高層ビルでは月々HK$4000〜5000だったようなので、そういう意味では安いと言えるかもしれません。ただ香港で車を持つということは、保険や車検、ガス代などの維持費が日本より高いそうなので、諸々の出費もあらかじめ考えておかなければならないです。

村屋のアパートは3階建てのタウンハウスのような建物です。アパートのコンディションもいろいろありますので、予算によってアパートのモダンさが変わるのは言わずもがなですが、どこのフロアーを借りるか、何階分借りるか、また、築年齢や設備や立地によって同じ広さでも家賃が変わります。

昔ながらのアパートのコンディションとしては、顕著なところで「お湯がたくさん出ない」という問題があります。例えばシャワーを浴びたい時、バスルーム内にあるタンクのお湯を30分程度前に沸かして使うというものです。その中のお湯を使い切ってしまうと、またお湯が沸くまで待たないといけません。特に冬場に突然水になると本当に辛い!!お風呂の癒しタイムが、タンクのお湯の量を気にして入らねばならず逆に疲れてしまいます。ただ最近のアパートは、電気で沸かしながら使えるタイプのものが多くなってきたので、お湯がなくなる心配がなくなり随分住みやすくなりました。

また、「キッチンのガスが予告なく突然出なくなくなる」というのがあります。キッチンがガスの場合、おおよそがタンクタイプで、ガスがなくなったらガス屋さんが交換用のタンクを持ってきてくれるというのが村屋流。お料理している最中に急にプスっという音ともに火が消えてしまうとなんとも悲惨です。特に朝お弁当を作ってる最中などに起こったら。。。ちょっと恐ろしいですね(笑)というわけで、最近ではIHを使っているところも多いようです。このように「村屋あるある」はたくさんあるので、追々ご紹介していきたいと思います。

どこの世界もそうですが、お金を出せば、村屋といえどもファンシーなアパートに住むことは可能です。わたしたちはそういう意味では普通の相場の普通のアパートに狙いを定めていたので、物件によって内装が大きく変わるという感じではなさそうでした。

日差しの強い真夏でも日除け付き屋上に立ち、かわいい山がぽこぽこと視界に広がる景色はのどかで気持ちよかったです。ここでコーヒーでも飲みながらプラプラできるかもしれない光景を思い描いたら胸がワクワクしました。

不動産屋さんが、「ところで庭付きのお家なんですけどね。すぐ目と鼻の先にあるから、ちょっとでいいからついでに見にいきましょうよ」と耳元で囁いてきました。「もうしょうがないなあ、しつこいんだから」とわたしは渋々ついて行くことにしました。

 

 


第1回 https://hongkonglei.com/hkmoving01/
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